スノーボードの初心者に対する「教え方」後半になります。
前半では、板を履いて滑るまでの準備段階を説明しました。
前半の記事です ↓
https://ktg6.com/entry/2017/02/12/155627
後半は、
実際に板を履いての動き方から始まり、リフトに乗って降りてこれるようになるまでの教え方を紹介したいと思います。
どうぞご覧下さい!
Contents
なぜワンフットから練習するのか?
まずは、ワンフット(後ろ足を外した状態)での操作を説明します。
ここでの説明も、滑り出す時はワンフットから入りますが、なぜワンフットからなのでしょうか?
リフトまでの移動や、リフトの乗り降りについて、必ずワンフットで行わなくてはなりません。
なによりも第一に慣れておく必要があるからです。
さらに、ワンフットで慣れると、両足で履いた時のバランスが確実に上がります。
最初にバランスをとるのが難しい状態で練習して、その後実践練習すると上達を感じやすいのです。
ですが、これはあくまで手段の一つに過ぎません。人によっては、ワンフットがかなり苦手でつまらないと思うかもしれません。
そういった方に教える時は、いっそ最初から両足装着で慣れてもらうなど、人に合わせた教え方が求められます。
まずは動画でイメージを確認
僕も初心者指導用の動画を探しましたが、以下の動画が分かりやすかったので紹介します!
まずはこの動画で、ワンフットの動き方をイメージして下さい。
こちらの動画では、ボードの装着から木の葉落としまで、詳しく解説してあります。ワンフットは5:18くらいからスケーティングの説明が入りますので、動きをご確認下さい。
ワンフット1:足慣らし
以下の事を足慣らしとして行います。
- 片足つけた状態での足踏み
- フットスイッチ(ヒールサイド)
ボードのつま先をあげて持ち上げます。
つま先をたてたまま、カカトから雪にさします。
コンパスのように時計回りにくるくる回ってみましょう。
- フットスイッチ(トゥサイド)
ボードのカカトをあげて持ち上げます。
カカトをたてたまま、つま先から雪にさします。時計回りに1週してみましょう
- 前後動(後ろ足の入れ替え)
後ろ足をボードの前に移動させましょう。この時、ボード側のつま先を雪面につけて、カカトをあげます。
反対に、後ろ足をボードの後ろ側へ移動する事もやってみます。カカトをあげてつま先から着地します
- 歩行
前足を一歩前に出して、そのあとすぐに後ろ足もついていきます。
前足と後ろ足を近づけて移動できるように動かしましょう。
※前足〜 後ろ足〜 と声を出してリズムを作ってみる。
- 登行・下降
(登行)ボードを斜面に対して真横に置きます。
後ろ足を一歩前に出し、つま先を上げて前足を持ち上げて移動します。
(下降)今度は前足のカカトをあげてボードを持ち上げます。後ろ足も引き寄せます。
ワンフット2:スケーティング
1)顔(目線)は進行方向を向ける
2)後ろ足で雪を蹴り出す
3)前足に体重を乗せて滑る
4)後ろ足はバインディングのそばに添える
5)後ろ足をつけて停止する
- 足元をみないようにして、必ず進行方向をみましょう
- よくあるのが、怖くて後ろ足に体重が乗ってしまう事です。が、それだと上手く滑れません
- す〜っと流れるように前足に体重を乗せて滑らせましょう
- この時、進行方向に指差ししてみると感覚をつかみやすいです
- 最初は短い距離からはじめてみましょう
ワンフット3:直滑降・停止(ヒールサイド)
1)斜面に対して、まっすぐになる
2)後ろ足をバインディングにのせて滑っていく
3)少し進んだら後ろ足のカカトでテールをずらす
4)軽く膝を曲げて、おへそに少し力を入れて横すべり
5)止まる時、後ろ足をつけて停止
最初は、補助者がボードを足で抑え、固定した状態で練習者に滑る基本姿勢を作ってもらいます。準備ができたら、足を離して滑ってもらいましょう。
曲がる時に目印をみつけて、目線の向きを板の動きに合わせていきましょう。
最初は板を横滑りできたらOKです。
体重は最初に前足にのせて、横滑りになったら両足均等にすると説明します。
それぞれ、得意不得意がある場合が多いです。
体の位置や目線に気をつけて、シンプルにワンポイントアドバイスを繰り返します。(いっぺんに多く説明すると混乱しますので、控えましょう)
「まっすぐ滑って横滑り〜」など、解りやすい表現を使って見ましょう。
1,2,3と区切って目印を示す など、イメージしやすく工夫するとよいでしょう。
両足装着後の練習
両足装着1:立ち上がり
片方の手で雪を押し出し、膝を内側によせて腰をおこします。すっと立ち上がれる感覚、体の位置を身につけましょう。
上手くいかない場合、後ろの手でトゥサイドエッジをつかみながら起き上がりましょう。
両足装着2:サイドスリップ(ヒールサイド)
1)お尻座りの状態から立ち上がる
2)つま先を少しあげて雪面に対しフラットに近い状態にする
3)ズリズリ滑らせ、止まる時はつま先を上げて膝を曲げて停止
目線はなるべく足元をみず、進行方向をみます。つま先が引っかかると逆エッジになって大変危険です。
フラットに近い状態でも、必ずつま先を少しあげておく事を意識しましょう。
両足装着3:サイドスリップ(トゥサイド)
1)膝つき座り状態から立ち上がる
2)カカトを少しあげて雪面に対しフラットに近い状態にする
3)ズリズリ滑らせ、止まる時はカカトをしっかり上げて膝を曲げて停止
前が見えない為、だれもいない事を確認してから滑りだしましょう。カカトが引っかかると逆エッジになります。カカトをあげておきましょう。
下をみて頭が前に出っ張りやすいので、胸をはるよう意識します。
両足装着4:直滑降→停止
- ワンフットの時と同じ要領で行う
- 滑り出しの時は、座った状態から起き上がり、そこでジャンプして直滑降に挑戦してみる
(最初は板を足で抑えてあげる などの補助をつける)
我々はスノーボーダーです。だれしも憧れるジャンプで、軽くホっという気持ち(スラムダンク桜木のフェイクぐらいのイメージでw)で、スタートをトライしてみましょう!
両足装着5:斜滑降(サイドスリップ停止)
1)立ち上がる
2)進行方向の前足に体重移動して自然に滑り出す
3)止まる時は、サイドスリップの要領で左右均等に体重をかけて停止
ゲレンデを斜めに木の葉落としで横切ります。これもサイドスリップで減速コントロールしながら行います。
リフトの乗り方・降り方
緩斜面での滑りに慣れてきたら、いよいよリフトに乗ります! ここでやってほしい事としては、一人で乗るようにするという事です。
普通、経験者が一緒の方が助けやすいと思われがちですが、
人がいると逆に巻き込まれて転びやすいです。
さらに、経験者もワンフット状態なので、動きに制限があり助けづらいという事も理由にあげられます。
なので、
経験者が先導で先にリフトを降りて、初心者がきたらヘルプしながらスケーティング補助をする
といった流れがベストです。(この方法は意外と知られていません…)
乗り方
- ハイバックが倒れている事を確認
- リフトに並び、停止線まで移動
- 人を巻き込まないよう1人で乗る
- 後ろ足をボードより前に出しておく
- 後ろをみてリフトがくるのを確認し、足に当たったらそのまましゃがんで乗る
- 座ったらボードの向きをリフトの進行方向へ向ける
降り方
- ついたら、後ろ足を板にのせてスケーティングの準備
- 慌てず、スケーティングして停止
- 転倒したら、なるべく早く端に避ける
ここまでできたら…
あとは、横滑りの切り替えがスムーズにできれば、もう連続ターン導入ができています!
上達度合いは人によりますが、ここまでなら、結構多くの人が1日で、できるようになるものです!
教えるコツとしては、イメージを掴んでもらうよう、説明表現を工夫し、とにかく楽しい雰囲気で練習できるようにする事です。
スノーボードは、1回だけやって、もう二度とやらなくなる人が少なくありません。
転んで痛い目にあったり、全身筋肉痛になったり、怪我したり、上達が感じられなかったら… もったいないですよね。。
教える方も大変ですが、
せっかく楽しむ為にはじめたのですから、
同じスノーボード仲間として、貴重な休日を有意義に過ごせるよう、精一杯正しく指導して上達してもらう喜びを感じましょう!